人は光合成ができるのか!?
かつて、そんな壮大なテーマに挑んだ男がいたことをご存知だろうか?
人は酸素を吸い二酸化炭素を吐く。
植物は光合成によって二酸化炭素を取り込んで酸素を作る。
つまり、人と植物が対になってバランスが取れているわけで、
言い換えれば、人は自然なしでは生きられない・・・。
そう彼も思ったに違いない・・・。
ところが、都会ではそうもいかないのが現状である。
彼が18歳の頃田舎から上京して一人暮らしを始めたのは東京の世田谷区
三軒茶屋という街。
渋谷から地下鉄で二駅の街。
絵に描いたようなコンクリートジャングルだ。
学校が近かったのと、昭和女子大が目の前だったというのが、そこに住むきっかけになった彼だったのだが、2年の月日がたった頃、やはりなんとも言えない違和感が彼を襲った。
息苦しい・・・。
もちろん光化学スモッグの影響もあったのだろうが、根本的に緑が足りないのだ!
しかしそれはもうどうにもならない事。
学校を卒業するまでは引っ越すのも不便だし・・・。
そこで彼は考えた・・・。
もうどうせなら自分で酸素を作れないものだろうか・・・?
光合成!!
それしかない!
自分が光合成をするしかない!
そして彼はそんな壮大なテーマに挑むことになった・・・。
その彼の名は”真野 徹”
そう、私である。
当時、今みたいにヘアカラーとかない時代で、やっと薬局で買えるブリーチ剤が出てきた頃だった。
そこで、何度も何度も髪の毛をブリーチして金髪にして、
手芸屋さんで布を染める染め粉を買って来てリンスに混ぜてカラーリンスを作った。
そいつを金髪の髪に付けてビニール袋をかぶって一晩寝る。
より自然に近づけるため髪型はソフトドレッド。
完璧だ!
写真をご覧いただこう。
もう自分がどこにいるのかすらわからないほど自然と同化しているではないか!
自然にどうかしているわけではない・・・。
いや、どうかしていたのかもしれない・・・
まぁそこはどうでもいい・・・。
実験はまずまず成功といっていいだろう。
ただ一つ問題があった。
寝て起きると髪の毛がメドゥーサのようになってしまう・・・。
ギリシャ神話に出てくる、睨まれると石にされてしまうというあのメドゥーサだ!
髪の毛がヘビのあのメドゥーサだ。
植物なら光合成もするがヘビは光合成をしないことぐらいは知っている・・・。
実際、光合成ができていたのかどうか・・・
今となってはもうわからない・・・。